gog CLI で Google Workspace を Claude Code / Cursor から動かす実装ガイド
公開: 2026-05-14 ・ 著者: AI Agent Camp ・ 所要読了時間: 約 20 分
1. なぜ gog CLI か
gog は Google Workspace の主要 API (Gmail / Calendar / Drive / Sheets / Docs) を 1 つのコマンド体系に束ねた CLI です。教材として整備した理由は、受講者が Claude Code や Cursor のチャットに「直近のメール上位 5 件を要約して」「来週の空き時間を探して」と書くだけで Workspace を動かせる状態を 30 分で作るためでした。

Python や TypeScript で Workspace API クライアントを書くのは、認証フロー・スコープ管理・トークン保管・エラーハンドリングまで含めると 1 ファイル 300 行を超えます。gog はそこを CLI に閉じ込めているため、上に乗せるエージェント側は「コマンドを 1 行呼ぶだけ」になります。受講者の学習負荷を Workspace API ではなくエージェント協調設計に振り分けたい意図があります。
2. 守るべき 5 つのルール
- OAuth クライアント JSON はリポジトリに含めない。
.envまたは OS の Credential Manager 経由でのみ参照する。 - リフレッシュトークンはローカルの gog 専用ディレクトリに保存し、Slack / Notion / GitHub Issue 等の公開チャネルに貼らない。
- Gmail / Drive のデータをエージェントに渡すときは、ユーザー単位の権限スコープを意識する。共有 Drive の読み取りも権限上は本人と同じ。
- 破壊的操作 (メール送信・カレンダーイベント削除・Drive ファイル移動) を実行する前に dry-run やプレビューを挟む。
- 自分以外のユーザーの認証情報を扱う場合は、Workspace 管理者と合意のうえテストユーザー追加で運用する。
3. ツールの全体像

gogcli— Workspace API 操作の中心- Gmail / Calendar / Drive / Sheets / Docs の取得・更新を
gog gmail searchgog calendar eventsなどで扱える。OAuth 認証も同 CLI 配下。 google-workspace-ops— 高レベル業務スキル- 「返信漏れを抽出して下書きを 3 通作る」のような複合タスクを Claude Code / Cursor のスキル形式で実行する。内部で gogcli を呼ぶ。
gas-clasp-ops— Google Apps Script 連携- GAS プロジェクトの push / deploy / 関数実行を clasp 経由で制御する。Sheets トリガーから定期実行する仕組みもここで扱う。
4. 1 日のワークフロー
- 朝のメール処理 (返信漏れ抽出 → 下書き生成)
- スケジュール調整 (空き時間検索 → イベント作成)
- Drive のファイル整理 (一覧 → 命名・移動)
- Sheets / Excel データ集計 (取得 → 加工 → 出力)
- 議事録ドラフト (Docs 生成)
- GAS トリガーで翌日分の定型処理を自動化
5. GCP セットアップ
- Cloud Console で新規プロジェクトを作成し、課金アカウントを紐付ける (請求アカウントのリンクは必須。教材の用途では従量課金がほぼ発生しません)。
- API とサービス → ライブラリから Gmail API / Calendar API / Drive API / Sheets API / Google Docs API を有効化する。
- Google Auth Platform → Branding でアプリ名・連絡先・ロゴを入力する。一般公開はせずテスト運用で構わない。
- Audience タブのテストユーザーに、ログインに使う自分の Google アカウントを追加する。
- 認証情報 → 認証情報を作成 → OAuth クライアント ID で、ユーザータイプを「外部」、アプリケーションの種類を「デスクトップアプリ」にして作成する。
- 一覧に出てきたクライアントから JSON をダウンロードする。ファイルはリポジトリに含めず、
credentials/my-google-workspace-oauth.jsonなどローカル専用ディレクトリに保存する。
6. gog の認証

# 1. Confirm installation
gog --version
# 2. Register OAuth client
gog auth credentials set credentials/my-google-workspace-oauth.json
# 3. Add account (opens a browser)
gog auth add your-email@example.com
# 4. Check connection
gog auth listブラウザでは「このアプリは Google で確認されていません」という警告画面が出ます。テスト運用中のアプリでは想定どおりの表示で、画面下の「詳細」を開き、自分が作成したアプリ名へのリンクを選んで進みます。Calendar / Gmail / Drive 等のスコープを確認し、必要なものを許可します。Claude Code / Cursor を使っている場合は /module-4-gcp-quick スラッシュコマンドを実行すれば、エージェントが上記 4 ステップをガイドします。
7. 認証テスト
# Latest 5 inbox messages
gog gmail search --query "is:inbox" --max 5
# Calendar events for the next 7 days
gog calendar events --days 7失敗する場合の典型は次の 3 つ。
- OAuth 同意画面のテストユーザーに自分のアドレスが入っていない。
- OAuth クライアントの種類が「デスクトップアプリ」になっていない。
- API ライブラリで該当 API を有効化していない (Gmail だけ有効化して Calendar を忘れる等)。
8. Calendar 操作

# Find a 60-minute slot in the next 7 working days
gog calendar free-slots --duration 60 --days 7 --working-hours 10-18
# Create an event
gog calendar create-event \
--title "1on1 @ koheinakamura" \
--start "2026-05-20T15:00:00+09:00" \
--duration 30 \
--attendees "partner@example.com"Claude Code / Cursor のチャットで「来週の空きで 1on1 入れといて」と指示すると、エージェントが free-slots → create-event の流れを自動で組み立てます。教材ではこのパターンを 6 種類のシナリオで扱います (社内 / 顧客 / 採用面接 / イベント参加 / ブロック時間確保 / 期日リマインダー)。
9. 朝のメールトリアージ

gog gmail searchで受信箱から「自分発信のメールに返信が戻ってきていないスレッド」を抽出する。- 各スレッドの本文をエージェントに読ませ、Gemini API で優先度と返信要否を判定する。
- 返信が必要なものは Gmail の下書き機能で送信前ドラフトを生成する。
gog gmail draft create。
10. Drive 操作

# List 20 latest files under a folder
gog drive list --parent <folder-id> --max 20
# Download to local
gog drive download <file-id> --output ./downloads/
# Export Sheets as CSV
gog drive export <sheet-id> --format csv --output ./out.csvAI Agent Camp では Drive 操作を「議事録テンプレ生成 → Drive 配置 → 関係者にリンク共有」の一連ワークフローで扱います。フォルダ規約 (案件 / クライアントごとに --parent 指定、ルート直置き禁止) もモジュール内で標準化しています。
11. Sheets / Excel 連携
# List sheets
gog sheets list <spreadsheet-id>
# Export a range to CSV
gog sheets export <spreadsheet-id> \
--range "Sheet1!A1:F100" \
--format csv \
--output ./out.csv
# Preview first 20 rows
gog sheets preview <spreadsheet-id> --max 20モジュール 8 (データ分析) と組み合わせると、Sheets で集めたデータを Marimo ノートブックで可視化し、結果のグラフを Drive にアップロードして関係者にリンク共有、というルートが完結します。
12. GAS で定型業務を自動化

人間が触らなくても回り続ける状態を作るには、GAS (Google Apps Script) のトリガーで定期実行する仕組みを組み合わせます。gas-clasp-ops スキルが push / deploy / 関数実行をまとめており、エージェントから直接 GAS プロジェクトを編集できます。
13. 身につくスキル / 学習の進め方
- Gmail の返信トリアージと下書き自動生成
- Calendar の空き時間検索とイベント作成
- Drive の一覧取得・命名整理・関係者共有
- Sheets のエクスポートと他ツール連携
- Docs での議事録ドラフト
- GAS トリガーによる定期実行
- Claude Code / Cursor のスラッシュコマンドからの一括操作
学習の進め方としては、GCP セットアップと gog 認証を 1 時間で済ませ、残り 2 時間を 6 つのフェーズに 20 分ずつ充てると、全 13 スライドを 1 日でこなせます。
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コース全体を見るよくある質問
- gog CLI とは何ですか?
- AI Agent Camp が教材用に整備している Google Workspace 操作向けの CLI です。Gmail・Calendar・Drive・Sheets・Docs API を 1 つのコマンド体系で扱え、Claude Code や Cursor のチャットから自然言語で呼び出せます。
- gog CLI の認証はどうやって行いますか?
- Google Cloud で OAuth クライアント (デスクトップアプリ) を作成し JSON をダウンロードしたうえで、gog auth credentials set <JSONのパス> でクライアントを登録し、gog auth add <メール> でブラウザ認証を完了します。
- Claude Code 研修 / Cursor 研修 で gog CLI を使う狙いは?
- Workspace API のクライアント実装を書かずに、エージェントへの指示文だけで実務タスクを完結させるためです。受講者は API ライブラリを学ぶ前にエージェント協調の感覚を 30 分で掴めます。
- OAuth クライアントの種類はなぜデスクトップアプリですか?
- ローカルブラウザでのリダイレクトを許容し、リフレッシュトークンを長期間保持できるためです。Web アプリ型は redirect_uri 登録が必須で短命のため CLI 用途には向きません。
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