Claude Code × DataForSEO で SEO 計測を自動化してみた
DataForSEO は、検索ボリュームや検索順位、被リンクなどの SEO データを API 経由で取得できる外部データプロバイダです。Claude Code は、自然言語の指示からコードの実装・修正・実行までをこなす AI コーディング環境です。この記事では、その 2 つを組み合わせて、自社の Growth ダッシュボードに SEO 計測を自動で組み込んだ作業の記録をまとめます。
なぜ自動化したのか
SEO の状況把握は、検索順位チェックツールの画面を毎日眺めて手でメモする、といった運用になりがちです。自社では既に Python の collector(データ収集スクリプト)と静的 HTML で構成した Growth ダッシュボードを運用していたため、「ここに SEO の指標も日次で自動的に流し込めないか」と考えました。
そこで実装そのものを Claude Code に任せ、API の選定から認証、collector の実装、ダッシュボードへの反映までを指示ベースで進めました。本記事はその一次記録です。誇張なく、実際に見えた数字とつまずきをそのまま残します。
データ取得日: 2026-05-31〜06-01。被リンク数は Google Search Console「リンク」レポートのエクスポート CSV・Bing Webmaster Tools の被リンク画面・DataForSEO Backlinks API、検索ボリューム/順位は DataForSEO(Keywords Data / SERP API)、AI Overview の有無はダッシュボードの追跡キーワード(12 件)の実測値です。
全体の構成
作ったものの流れは次のとおりです。
- DataForSEO の各 API(および後述の代替ソース)からデータを取得する
- Python の collector がデータを整形して JSON として保存する
- 静的 HTML のダッシュボードがその JSON を読み込んで表示する
- GitHub Actions の日次 cron が collector を自動実行する

Claude Code で DataForSEO を使う手順
結論から言うと、API 選定 → Basic 認証の設定 → collector 実装 → ダッシュボード反映、の 4 ステップを Claude Code への指示だけで進められました。
1. 利用する API を選ぶ
DataForSEO から、目的別に 3 つの API を Claude Code 経由で利用しました。
| API | 取得するデータ | 用途 |
|---|---|---|
| Keywords Data | 検索ボリューム | ターゲットキーワードの市場規模を把握 |
| SERP API | 実際の検索順位 | 自社ページが何位に出ているかを計測 |
| Backlinks Summary | 被リンク | 被リンク元ドメイン数の把握 |
2. 認証を設定する
DataForSEO の認証は Basic 認証(API の login と password)です。認証情報はコードに直接書かず、GitHub Secrets と .env で管理し、collector からは環境変数として参照する形にしました。

3. collector を実装する
Claude Code に指示して、2 つの collector を実装しました。
- seo_keywords: 検索ボリューム × 自社順位 × AI Overview の有無を日次で収集する
- seo_backlinks: 被リンクデータを取り込む
このうち seo_backlinks は、当初 DataForSEO の Backlinks Summary を使う想定でしたが、後述の理由で Google Search Console(GSC)のエクスポート CSV を取り込む形に切り替えました。
4. ダッシュボードに反映する
収集したデータを表示するため、ダッシュボードに 3 つのパーツを追加しました。
- ターゲット KW 順位ボード: 主要キーワードの順位を一覧表示
- SEO 目標進捗パネル: 目標に対する進捗を表示
- 被リンクカード: 被リンク元ドメイン数を表示

実際に見えた数字
計測を回して、いくつか具体的な発見がありました。いずれも自社サイトの実データです。
- 「Claude Code」というキーワードは月間検索 246,000・競合性 LOW にもかかわらず、自社は 100 位圏外。つまり、ボリュームが大きく競合が低いのに取れていない、最大の機会だと分かりました。
- 主要キーワードはほぼすべて圏外という状態でした。
- ダッシュボードで追跡している 12 キーワードのうち 6 キーワードで AI Overview が表示 されていました(seo_keywords collector の実測値)。検索結果上部の AI 回答領域に出るかどうかは、流入設計を考えるうえで無視できない要素です。

つまずいたこと
被リンクのカバレッジがツールごとに大きく違う
結論: 被リンク計測は無料の GSC エクスポート CSV が最もカバレッジが広く、有料の DataForSEO Backlinks は日本語サイトでは割に合いませんでした。
最初に想定していた DataForSEO の Backlinks では、日本語サイトのカバレッジが薄く、自社サイトで 5 ドメイン しか取得できませんでした。そこで無料の GSC エクスポート CSV の取り込みに切り替えたところ、24 ドメイン が取れました。参考までに Bing では 10 ドメイン でした。
| ソース | 取得できた被リンク元ドメイン数 | 料金 |
|---|---|---|
| DataForSEO Backlinks | 5 | 有料 |
| Google Search Console(CSV) | 24 | 無料 |
| Bing | 10 | 無料 |

ツールによって見える被リンクがここまで違うというのが、この作業で得た大きな学びでした。被リンクの「数」を 1 つのツールだけで判断すると実態を取り違える可能性があります。
料金の判断
DataForSEO の Backlinks は 月 $100 の最低コミット が必要で、得られるカバレッジに対して割高でした。被リンクは GSC の無料 CSV で十分なカバレッジが得られたため、Backlinks は解約しました。
一方で、検索ボリュームの取得(Keywords Data)と順位計測(SERP API)は従量課金で安く運用できるため、こちらは継続しています。
まとめ
- Claude Code に指示するだけで、既存の Python collector + 静的 HTML のダッシュボードに SEO 計測を後付けできました。
- DataForSEO の 3 API のうち、検索ボリュームと順位は従量課金で安く、被リンクは最低コミットがあり割高でした。
- 被リンクのカバレッジはツール差が大きく、日本語サイトでは GSC の無料 CSV が最もドメイン数を取れました。
- 実データから「Claude Code」のような大ボリューム・低競合の未取得キーワードという明確な機会が見えました。
- 認証情報は GitHub Secrets /
.envで管理し、値はコードに書かない運用にしています。
よくある質問(FAQ)
Q1. DataForSEO の 3 API はどう使い分けるのですか。 A. Keywords Data で検索ボリューム、SERP API で実際の検索順位、Backlinks Summary で被リンクを取得します。今回は被リンクのみ、カバレッジと料金の理由で GSC の CSV に切り替えました。
Q2. なぜ被リンクだけ DataForSEO をやめたのですか。 A. 日本語サイトでのカバレッジが薄く(自社で 5 ドメインのみ)、かつ月 $100 の最低コミットが必要で割高だったためです。無料の GSC エクスポート CSV では 24 ドメインが取得でき、こちらに切り替えました。
Q3. 自動収集はどう動かしていますか。
A. GitHub Actions の日次 cron で collector を自動実行しています。API の認証情報は GitHub Secrets と .env で管理し、コードには値を書いていません。
最終確認日: 2026-06-01